美容室開業する人必見!内見時の物件調査で気をつける5つのポイント

物件選び

美容室開業において物件選びは成功へのとても重要なポイントです。ですが、重要とはわかっていても、実際に内見に行った際にどんなポイントを確認すればよいのか悩みますよね?

この記事では、実際にどこをどうチェックすればよいのか解説していきます。

1.物件探しの重要性

開業の成功に大きく影響する

美容室開業において、物件選びは極めて重要なプロセスです。適切な物件を選ぶことができれば、開業後の事業運営がスムーズになりますが、物件選びを誤ると様々な問題が生じてしまいます。

物件選びの失敗例

影響

立地が悪く、客足が遠のく

売上が伸び悩む

広さが狭く、作業スペースが確保できない

サービス品質の低下

設備が老朽化し、トラブルが続発

修繕費用の増大

賃料が高すぎる

経費の圧迫

このように、物件選びを誤ると、開業後の経営に大きな支障をきたすことになります。物件探しは長期的な視点から慎重に行い、立地、広さ、設備、賃料といった項目を確認する必要があります。開業にあたって、事業計画に合った物件を見つけることが、成功への第一歩となるのです。

 

2.立地の調査ポイント

目的の客層にマッチした地域か

美容室の立地を決める上で、最も重要なポイントは「目的の顧客層が多く住む地域か」ということです。

目指す顧客層に合わせて、人口動態や世帯構成などの地域統計データを確認し、立地を選ぶ必要があります。

例えば、20~30代の働く女性をメインターゲットにする場合は、都心や駅周辺の オフィス街が適しています。一方、高齢者層をメインにする場合は、住宅街の中心部が 良いでしょう。

このように、目的の顧客層と立地がマッチしていないと、来店客数が見込めず経営が 難しくなります。事業計画に合わせて立地を選定することが成功のカギとなります。

交通の利便性は良いか

美容室の立地を決める際、交通の利便性は非常に重要なポイントです。お客様が来店しやすいかどうかは、美容室の集客力に直結するからです。

まずは、最寄り駅からの距離を確認しましょう。徒歩5分圏内が理想的です。次に、主要幹線道路からのアクセスを調べます。お車でのお客様も見込める場合は、駐車場の有無も欠かせません。

交通アクセスのチェックポイント

・最寄り駅からの距離

・主要幹線道路からのアクセス

・駐車場の有無(お車でのお客様がいる場合)

また、バス路線や自転車置き場の有無なども、アクセス手段を選択する上で重要です。お客様の利用実態に合わせて、総合的に交通アクセスを検討しましょう。

良好な交通アクセスは、お客様の利便性を高めるだけでなく、来店機会の増加にも繋がります。立地の良し悪しは、美容室の集客力を左右する大きな要因になるのです。

周辺の環境や治安は良いか

美容室を開業する際、立地の選定は極めて重要です。商圏内に目的の客層がいるかどうかはもちろんですが、周辺の環境や治安面も無視できません。

たとえば、以下のようなポイントをチェックする必要があります。

  • 道路事情(渋滞や騒音の有無)

  • 駐車場の有無と台数

  • 周辺の飲食店やスーパーなどの施設

  • 夜間の街灯の明るさと人通りの有無

  • 不審者の出入りがないか

このように、美容室の営業や顧客の利便性に悪影響がないかを入念に確認しましょう。周辺に学校や公園があれば、子育て世代の集客が見込めるかもしれません。

一方で、繁華街や駅前などは人通りは多いものの、夜間の治安が心配な場合があります。こうした点にも注意を払い、総合的に判断することが大切です。

将来的な周辺開発の計画なども加味し、長期的な視点から物件を選ぶことをおすすめします。

 

3.物件の面積と形状の調査ポイント

事業計画に合った広さか

開業にあたっては、美容室の広さが事業計画と合致しているかを確認する必要があります。狭すぎると、設備を適切に配置できずに業務効率が落ちてしまいます。逆に広すぎると、無駄な賃料負担が発生します。

まずは、美容室の席数や設備のレイアウトを検討し、最低限必要な面積を算出しましょう。

項目

目安面積

1席あたり

2.5~3.5坪

受付・待合スペース

3~4坪

スタッフルーム

2~3坪

化粧室・手洗い場

1坪

このように、席数や設備の規模に応じて必要面積が変わってきます。事業計画との整合性を図るには、このような目安を参考にすると良いでしょう。

また、単に広さだけでなく、形状による無駄なスペースがないかにも注意を払いましょう。無理のないレイアウトが可能な形状の物件を選ぶことが重要です。

天井を解体して高くすることはできるか

天井の高さは美容室の開放感や作業スペースの確保に大きく影響します。通常、天井高は2.4m前後が一般的ですが、近年は2.7m以上の天井高が求められる傾向にあります。

天井を解体して高くすることが可能かどうかは、物件の構造によって異なります。鉄骨造りの場合は比較的容易に天井を解体できる可能性がありますが、木造の場合は構造上の制約から難しい場合があります。さらに、配線や配管、アスベストなどがある場合も天井を解体するのは難しいでしょう。

また、物件が賃貸の場合は、事前に家主の許可を得る必要があります。天井解体工事には多額の費用が掛かることから、将来的な売上見込みを踏まえた上で、投資対効果を検討する必要があります。物件内見時に、この点についても確認を怠らないようにしましょう。

動線に無理がないレイアウトが組めるか

物件内の動線は、業務効率やお客様の利便性に大きく影響します。理想的なレイアウトを検討する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 作業スペース(シャンプー・カラー・ヘアカット等)の配置が適切か

  • お客様の動線が交錯しないか

  • お手洗いやパウダールームの位置は適切か

  • カウンター周りの動線は円滑か

  • 什器や備品の配置はスムーズな動線を確保できるか

こうした観点から、想定する人の流れや作業工程にストレスがかからないレイアウトを立案できるかをチェックします。

理想を描きにくい場合は、仮に机や椅子を配置して実際に動線を確かめるのも一案です。

動線チェックポイント

具体例

作業スペース

シャンプースペース、カラーリングスペース、カットスペースの配置

客動線

入口から受付、待合室、手洗い場への導線

什器・備品の配置

ドライヤー、鏡台、ロッカーなどの位置

このように細かくシミュレーションすれば、無駄のない合理的なレイアウトを実現できるでしょう。

 

4.設備の調査ポイント

電気設備(電灯・動力)

美容室の電気設備は、照明と機器の稼働に欠かせません。内覧時には十分な確認が必要です。

確認ポイント

内容

電灯容量

店内全体に適切な明るさを確保できるか、美容機器の同時使用に十分な容量があるか

ドライヤーは1台で最大15A(アンペア)くらい必要となる

動力容量

主に空調用

電気温水器を利用する場合には十分な容量が必要となる

分電盤の状態

老朽化がなく機能的か

照明は店内の雰囲気作りに大きな影響を与えます。また、美容機器を効率的に稼働させるための十分な容量が必要不可欠です。

さらに、分電盤の状態を確認して電気設備全体の健全性を確かめることが大切です。

これらをチェックし、電気設備が事業計画に見合ったものであるかを確認することで、美容室開業後のトラブルを未然に防ぐことができます。

ガス設備

美容室事業を行う上でガス設備は欠かせません。まずは、物件にガス設備が備わっているかどうかを確認しましょう。ガス設備がない場合は、新規でガス工事を行う必要があり、追加の初期費用が発生します。

次に、設備の能力と導管の太さが事業計画に見合っているかを確認します。設備能力が足りない場合、作業効率が落ちたり、顧客サービスの質が低下する可能性があります。導管が細すぎると、同時に複数の設備を使用できない恐れがあります。

また、ガス設備の老朽化や安全性にも注意を払いましょう。古い設備は事故のリスクが高く、入れ替え工事が必要になる可能性があります。ガス設備の状態を総合的に判断し、修理や更新が必要かどうかを見極める必要があります。

空調設備

美容室の快適な環境を保つためには、空調設備の確認が重要です。まずは空調設備が設置されているかどうか確認しましょう。スケルトン物件の場合は無いケースがほとんどです。

次に空調機の種類を確認しましょう。

種類

特徴

壁かけエアコン

設置コストが安く、温風も出せる

パッケージエアコン

天井埋め込み型で省スペース

セントラルエアコン

建物内全ての空調が一括管理されている

次に空調機の設置場所や風向き、風量調整機能があるかを確認します。空調機は適切な場所に設置されていて、席ごとに風向き・風量が調整できることが理想的です。

さらに、エアコン用の配管スペースやドレンの排水先も事前に確認しましょう。配管スペースが狭かったり、排水先がなければ、新たに工事が必要になる可能性があります。

内見時に十分な確認をしましょう。

 

5.外観の調査ポイント

店舗への出入り口の確認

美容室の店舗入り口は、顧客の動線を意識して設計する必要があります。入り口が狭かったり、段差があったりすると、お客様の往来に支障が出るだけでなく、ベビーカーや車いすをお使いの方にも不便が生じてしまいます。

幅や高さ、段差の有無などを確認しましょう。理想的な入り口の寸法は以下の通りです。

項目

推奨サイズ

90cm以上

高さ

2m以上

段差

なし

室内が見えない扉の場合は、二重扉にし内側にガラス扉を設置することも検討しましょう。

また、入り口の場所によっては、テナントの配置や動線を考慮する必要があります。エントランスが奥まっていたり、入り口までの経路が分かりにくい場合は、サインやピクトグラムなどで案内する工夫が求められます。

看板設置可能場所の確認

美容室は、看板が非常に重要な役割を果たします。内見時には看板設置場所について確認しましょう。

まず建物の入口付近で、看板を設置できる場所があるかを確認します。入口上部や入口横など、目線の高さに設置できる場所が理想的です。また、袖看板があるかどうかも確認しましょう。

建物に面した道路に沿って設置できる場所があれば、より目立つ看板が可能になります。ただし、自治体によって制限があるケースがあるので、あらかじめ規制を確認しておきましょう。

次に、店舗のガラス面に内側からの看板やカッティングシート等の設置か可能かどうかも確認しましょう。

最後に、看板設置時の工事が業者指定かどうかも確認しておきます。既存の看板掲示場所があれば、工事は最小限で済みそうです。

以上のように、来店客の目線を意識した場所に、規制に従って適切に看板を設置できるかを必ず確認しましょう。

 

まとめ

物件探しは美容室開業にあたり非常に重要なプロセスです。立地、広さ、設備、外観など様々な観点から入念にチェックすることが求められます。

項目

チェックポイント

立地

目的の客層、交通の利便性、治安など

広さ・形状

事業計画に合った広さ、天井高の変更可否、動線のよいレイアウト

設備

電気設備、ガス設備、空調設備

外観

出入り口、看板設置可能場所

理想の物件を見つけるまで根気強く探し続けましょう。時間をかけて慎重に検討することが、開業後の事業運営をスムーズに行う鍵となります。

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